トピック

(4)耐震・制震・免震の違い


三者の特色を簡潔に表現すれば、

 耐震 → 揺れに耐える

 制震 → 揺れを吸収する

 免震 → 揺れを伝えない

という感じになります。

個人的なイメージとしてですが、耐震は揺れに対してガンガン闘うタイプ。
制震は相手の力を受け入れて利用する柔道家タイプ。免震はいかに相手をリングに上げないか工夫を懲らすタイプという印象です。
というのも「耐震」は建物を頑丈な造りにすることにより地震によって壊れないようにする技術、「制震」は建物が揺れるときの振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収することにより建物の損傷を防ぐ技術、「免震」は建物を地面と切り離して、揺れを伝えないようにする(建物と地盤の間にゴムなどの装置を設置し、地震の揺れを伝わりにくくする)技術だからです。

ところで建築基準法には耐震基準しかなく、制震基準や免震基準はありません。 国で定めている性能試験が「耐震」しかなく、「制震」を評価する仕組みがまだ国に無いのが現状です。 大手メーカーの制震装置も「自社試験」の結果であって、「国の基準」を獲得しているというわけではありません。

それは耐震と制震の比較をしても耐震が変形に「抵抗する」構造、制震が「変形を受け入れる」構造であるため、制震と耐震は同一の基準で判定することが難しく、全く別の判定基準が必要になるからです。

これは戦後、日本の建築はずっと剛構造の耐震が標準だったためですが、五重塔に代表される柔構造の伝統建築の研究はまだ始まったばかりであり、これから徐々に制震基準や免震基準が登場すると思われます。



前のトピック次のトピック

この項目の目次

ピックアップ

問い合わせ

お気軽に問い合わせください。

お気軽にご連絡下さい

syu-riken
修理補修建設企業組合
東京都(21産労商調定204号)
*リフォーム瑕疵保険 対応*

Tel: 電話番号
Fax: Fax番号